
東北地方太平洋沖地震からまもなく2ヶ月が経ちます。
被災地はもとより、被災地以外でも苦境に立たされている会社は少なくないと思います。
自粛によってお客様が減った飲食・宿泊業、被災地に取引先があり生産がストップした製造業など、間接的な影響によって休業を余儀なくされた場合、休業手当の支払が必要になる場合があります。
では、その休業手当はどれくらい払わなければいけないのでしょう?
労働基準法第26条では、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」と定めています。
つまり、会社の都合で休ませて場合には、平均賃金(*1)の60%以上を支払う必要があるのです。
(*1)平均賃金の基本計算式
平均賃金 = 直近3ヶ月間の賃金総額 ÷ 直近3ヶ月間の総暦日数
なお、次の金額については賃金総額に含みません。
① 臨時に支払われた賃金(例:結婚手当)
② 3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(例:賞与)
③ 現物給与
※震災の影響による休業手当の支払いの要否・詳細は、「平成23年東北地方太平洋沖地震に伴う労働基準法等に関するQ&A(第3版)」を参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017f2k.html
しかし、今回のように先の見通しがつかない中では、休業手当の支払いは事業主にとっては大変な負担になります。
こうした場合、公的支援策を活用するのも一つの方法だと思います。
その一つに「雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)」があります。
雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)とは、景気の変動などの経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用を維持するために、休業等を実施し、休業にかかる手当て等を社員に支払った場合、それに相当する額の一部を助成する制度で、これは休業手当の要否は関係ありません。
【支給要件】
・ 雇用保険の適用事業主であること
・ 売上高又は生産量の最近3か月間の月平均値がその直前3か月又は前年同期に比べ5%減少していること(ただし直近の決算等の経常損益が赤字であれば5%未満の減少でも可)。
【支給内容】
・ 支給額 ・・・ 休業手当等の負担相当額の4/5(最高額7,507円 H22.8.1時点)
・ 支給限度日数 ・・・ 3年間で300日
雇用調整助成金以外にも「災害時における雇用保険の特例措置」もあります。詳細は、最寄りのハローワークにお問い合わせください。
事前にご連絡いただきますと、土日祝日の対応が可能です
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